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[■ 2011-07-03[日]]

ご贔屓さまの創り方  [ヌーベルエステティックより抜粋]

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有限会社 H‘s COMPAGNE

代表取締役 袴田浩呂琴先生

 

 

 

 

私がエステティックの仕事を始めてから、今年で27年が経ちました。

それ以前には、メイクの仕事をしていましたが、会社の倒産をきっかけの転職でした。その後、美容室経営が母体となるエステティックサロンへ入社。そこで13年間、エステティシャンとして勤務し、退職と同時に独立をいたし、来年で15年目を迎えます。

今、サロンを2店舗、4年前からスクールを立ち上げ、現在に至っております。

そんな私の経験談が、少しでもお役に立てればと連載をお引き受けさせていただきました。

 

まずは、私の会社勤めをしていた頃のお話しをさせていただきます。

私が見習いだったころ、当時は一般の方にもエステはあまり知られていない時代で、社長すらも余りエステの内容をご存じなかったようで・・・

今で言えば、同じ美容の仕事であっても、他業種参入の様な形の経営でした。

現場の問題は全て、技術者兼任マネージャーが引き受け運営するスタイルでした。

現場の状況を伝えるにも、相談するにも、マネージャーと社長にズレが生じ、下の私達には何も知らされぬまま、そのマネージャーも退職し、ある日、社長ミーティングで2店舗併せて5,900万円の赤字決算であると聞かされました。

 

母体のある会社だから持ち堪えてこれたものの、後がない。幾度となくミーティングを重ねる内に、私に店長を任せると言われ、単なる技術者でいた私には、まず管理者の仕事がどういうものなのかも知らず、社長に尋ねると、たった一言、「いい店を創ればいい」と言われ、余りに簡単な、しかも深い言葉を聞き、それでも分からず、私が尊敬するある方に「どうやったら、いい店をつくれるか?」と聞きにいきました。

その方もやっぱり一言・・・「自分の店だと思えばいい」・・・そう聞いた途端、霧が晴れた様に考えが湧いてきました。

 

そうして考えた事は、会社にお金がない!と言うことは、売り上げを期待できる新規客を集めるチラシを作る経費がない!

では今いるお客様に紹介していただこう・・・

でも日に2,3名のお客様しかいない!!

でも時間があるという事だ!

来店頻度を上げるために受け身ではなく、提案型のご予約の取り方をすればいい!

お客様で賑わえば店に活気が戻る!とお店の雰囲気創りをしました。

しかし、ご紹介と言ってもそう簡単なものでもない。

人が人に話したくなるには、感動がなければならない!!

例えば、レストランだったら、ただ美味しいだけでは普通であり、感動はない・・・

今までに見たことがない、味わったことがない、他の店にはない物を感じなければお客様は感動しない!と思い、早速、感動創りに取り掛かりました。

 

最初にやってみたのは、「ごあいさつを変える」ことでした。それまでは静かなのがエステ、の様に、誰が決めたか分からない様な常識を変えてました。

スタッフを集め、「どんな言葉でもいいから、お客様が来てくれて嬉しいという気持ちを伝えられるようなお出迎えをしてください」と言いました。

ある者は、「お待ちしておりました?」と言い、またある者は、「お帰りなさ?い」とそれぞれが自分の言葉で歓迎感を伝えていきました。

初めは戸惑ったお客様でしたが、気軽にスタッフとお話しが弾むようになりエステサロンとは思えぬほど賑やかなサロンになっていきました。

その頃のお客様が描くエステティック像をまったく壊してしまう程の気軽さをつくり、当時「面白いエステがあると友達に聞いて電話したのですが・・・」と問い合わせやご同伴来店が後をたたなくなりました。

 

もう一つの取り組みは、客数が少ない現状で売り上げを作るには客単価を上げるしかありません。しかしスタッフには強制はしたくありません。自然に客単価を上げる仕組みをつくりました。

 

その一つにたった一品だけ商品を選び、それについて講習をし、スタッフに実際に使ってもらい、理解と実感をしてもらいました。

スタッフ自身がその商品を「好き」になる事、「感動」する事でその商品のファンにならなければ「実感」もお客様に話せない。

単に営業する事ではなく、ここでも「話したくなる!」感動をつくりました。

なんと入社して間もないスタッフがひと月で、7,800円の商品を100本売り上げました。

 

第3の取り組みは、その当時のお店は、東京の都下にある小さな商店街の立地だったので、多くの人が行きかうこともなく、飛び込みで新規が来ることなどほとんどありませんでした。

新規で来たお客様はもちろんですが、今いるお客様をどうやってリピート化にしていくか?でした。

「掛かりつけエステ」にしてみよう!そう思いつきました。

これはまずお客様からの信用を得なければなりません。

具体的には「カウンセリング」を変えました。それまでのようにコースのプランニング主体のものではなく、「聞く」を「聴く」に変えました。

お客様の描いている理想や希望、要望をより深く理解し、一緒に考え、目標づくりをしていきました。

お客様の気持ちに近くなるとフタッフのモチベーションも高くなります。

「一生懸命がんばってこの方を綺麗にするぞ!」と・・・。

だから皆、結果や効果、お客様の反応や満足度にこだわり始めました。まずはワンクール。

 

お客様との約束を守り、期待に応え、信頼関係をつくることが重要でした。

そのためにスタッフと徹夜で練習もしました。お客様のために腕を磨く、勉強する、本を読む・・・。

そう伝えていきました。

余談ではありますが、昨今、資格を取るための勉強をして、満足してしまうエステティシャンが多いことは悲しいことですが・・・。

自分がお客様のための努力をしてお客様が喜んでくれる。これはエステティシャンにとってこの上ない喜びです。

お客様は、一つ夢が叶うと自然にまた次はと「掛かりつけ」にしてくださいます。

新規客が入る仕組みをつくり、そのお客様を固定化し、客単価を上げる仕組みをつくる・・・。

こうして経費をかけない作戦のその結果は、それまでベット5台で1日2?3名だった客数は平均25名となり、70万円前後まで落ち込んでいた売り上げが、気がつくと就任1ヶ月後には380万円を超え、3ヶ月後には860万円に、その1年後には1,600万円を超えていました。

赤字の5.900万円も3年で返済完了とし、優秀社員賞をいただいたの日のことを今でもおぼえています。(笑)・・・。

 

その会社にも13年間お世話になった頃、そろそろ家庭に入ろうと思い退職を決意しました。

そんなある日、スタッフから一日つきあってもらいたいといった先は、あるお客様の経営するお寿司屋さんでした。

座敷に通され襖を開けると、そこには14名のお客様が。それも、それぞれが知る由もない方たち同士。

なにやらある方のご提案で、スタッフと秘かに声掛けし合ってお集まりいただいたようでした。

1人のお客様が「今日はあなたにエステを辞めさせない会だよ」と言われました。

 お一人ずつ今までの私に対しての感謝の気持ちだといろいろと涙ながらにお話ししてくださいました。

私はお客様に育てていただいていると今でも思っております。

その証拠にその会を主催した方は、私がエステティシャンになって初めてクレームをいただいたお客さんでした。

私を育ててくださったお客様に逆にそんな風に言っていただけることは、本当に恐縮極まりない事だと思いました。

その後、お客様のご紹介いただいた1LDKのマンションで独立し、14名のお客様でスタート。

看板も出さずに電話帳に載せることもなく、しかし2年後には、口コミ会員数250名となり、テナントに出店しました。

その後、法人化し、お客様を喜ばせるための技術を後輩たちに残したく、2006年よりスクール部門を立ち上げました。

現在、口コミ集客率98%、新規再来店率95%。都内で2店舗を経営しています。

 

数年前より、コンサルティング会社様、美容機器メーカー様、化粧品会社様、エステティックサロン様で講習、講演のご依頼を受け、全国の経営者の方々とお話しする機会を頂戴する中、多くの皆様が、新規獲得、新規再来店率の低下に悩んでいらっしゃいます。

私どもも人ごとではありません。

今や口コミも地域によっては内容に違いがあります。

ひと時代前には、初めてサロンに行くことは勇気のいることで、他との比較もしないまま、入ったお店に通うというのが常識だったのが、今や「お試し慣れ」したユーザーも増えた上、インターネットで簡単に情報が見られ、一見様目当ての予約も取れるサイトもあり、ふっと気がつくと自社の顧客だった人が予約が取れないからと、他のサロンに行ってきたという風に、お客様にとっては、気軽にエステを利用できる環境になったことはよいことだとしても、その反面、われわれサロン側にとっては、固定客をつくることが非常に難しい問題となっているのは事実です。

 

業界全体が今までのその場凌ぎのための集客方法に逆に悩まされる結果となっている様に思います。

例えば、新規獲得のための「お試し」も、業界的に、通常の集客方法となりましたが、これもそれぞれに自社の「品質」に自信がない現れではなかったか?

本当に努力をして、時間も使い、お金も使い、身につけた技術があれば、安く買って欲しくないはず。

美容師さんの世界では、あり得ない話であります。

お客様は例え1,000円であっても、満足できないものであれば「値段が高い」と思うでしょう。

私たちは1回50,000円出しても「これは安い」と思わせるプライドを持ちたいものです。

こうした背景の中、今私が大切だと思うことは、第一に、どれだけお客様を「感動」させることができるか?他の店にはない物、事、人を創る事。

また、第二に、お客様に尽くし、信頼される技術と人間性をもったエステティシャンを育てることだと思っています。

お客様は今や店のブランドに付かず、「ごひいき様」を多く持つこと大切なのではないかと思います。

 

 

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